「予算はなるべく抑えたいけど、ちゃんとした88鍵盤の電子ピアノが欲しい」。そんな願いを叶える定番モデルとして長く愛されてきたのが、ヤマハのP-45Bです。しかし、2023年に後継モデルとなるP-145が発売されてから、もうすぐ3年近くが経とうとしています。今さらP-45Bを買うのはアリなのか、それともやっぱり新型のP-145にすべきなのか。結論から言えば、P-45Bは「旧モデルだからこその価格メリット」を活かせる人にとっては、依然として非常に有力な選択肢です。 ただし、付属品の品質や最新モデルとの音の違いなど、事前に知っておくべき「小さなストレス」も確かに存在します。この記事では、楽器レビューやユーザーのリアルな声を徹底調査し、P-45Bの「今」の価値を、購入後の対策まで含めて徹底解説します。
P-45BとP-145の違いは?後継機が出てもP-45Bを選ぶべきケース
ヤマハのPシリーズは、スタジオやステージで使えるプロ仕様の音とタッチを、コンパクトなボディに詰め込んだ電子ピアノシリーズです。P-45Bはそのエントリーモデルとして、2015年頃からロングセラーを続けてきました。現在のカタログモデルはP-145ですが、P-45Bはまだ新品で購入可能です。
スペック表をざっと見ると、どちらも「GHS(グレードハンマースタンダード)鍵盤」を採用し、最大同時発音数は64音、アンプ出力は6W×2と、主要な数値はほとんど同じです。しかし、押さえるべきポイントは以下の3つです。
まず価格です。執筆時点(2026年8月)では、P-45Bの実売価格は約4.5万円〜5.5万円なのに対し、P-145は約5.5万円〜6.5万円と、1万円前後の差がついています(Yahoo!ショッピング・楽天市場の価格相場より)。この差を「節約」と見るか、「新しいモデルへの投資」と見るかが分かれ目です。
次に音源とスピーカーです。P-145はAWM音源を継承しつつ、スピーカーの配置や筐体設計が改良され、よりクリアで広がりのあるサウンドになったと言われています。一方のP-45Bの音は、あくまで「癖のないクリーンな音」であり、決して悪くはないものの、P-225に搭載されているような高級機のCFX音源とは一線を画します(ヤマハ公式スペック比較より)。
そして最も大きな違いは「付属品の品質」です。これは後述するユーザーの声でも頻出する論点なので、しっかり押さえておいてください。
ユーザーのリアルな声:P-45Bの満足点と、意外な不満点
実際にP-45Bを使っている人の声を、大手通販サイトのレビュー(Yahoo!ショッピング・楽天市場、2022〜2023年投稿分を中心に約20件)から分析しました。全体の満足度は非常に高いのですが、そこには「こういう細かいところは妥協が必要」という現実も見えてきます。
「この価格でこのタッチ」はやっぱり本物
ポジティブな声で最多だったのは、やはりコストパフォーマンスへの満足です。「初心者の練習用に十分すぎる」「子供のピアノ練習に購入。毎日使ってますが、鍵盤の重さも本格的で満足」という意見が目立ちました。GHS鍵盤は、低音域は重く、高音域は軽くなる「グラデーション・ハンマー」方式を採用しており、アコースティックピアノに近い弾き心地を体感できる点が高く評価されています。
また、「ヘッドホンを繋げば夜でも気兼ねなく練習できる」「思ったより軽くて、部屋の模様替えの時に動かしやすい(本体重量11.5kg)」といった、電子ピアノとしての基本的な利便性に対する満足も多く見られました。
「付属ペダルが…」「スタンドが…」購入後に地味に気になる不満
一方で、製品自体の性能というよりは「付属品まわり」に対するネガティブな声が複数確認されました。特に多いのが、付属のダンパーペダルについての指摘です。「薄っぺらくて軽く、踏んだ時にズレる」「半ペダル(ハーフペダル)に対応しておらず、オン・オフの切り替えがガチャッと硬い」といった感想が複数寄せられています。
また、合わせて購入することが多い純正スタンド(L-85)については、「本体を置くだけの構造で、しっかり固定されないから弾いているとズレる」「別売りのダブルブレースタイプのスタンド(キーボードスタンド)の方が安定する」という意見がありました。つまり、P-45B本体のコスパは最高でも、「トータルで快適に使い始めるためには、別途アクセサリーにお金をかけたほうがいい」というのが、実際のユーザーが辿り着いた結論のようです。
避けて通れない「64音ポリフォニー」問題と音質のリアル
P-45Bの仕様でよく議論になるのが、最大同時発音数が64音という点です。これは、P-225の192音と比べると少ない数字です。では、64音で実際に困るのかというと、初心者がクラシックの練習をする分にはほぼ問題になりません。ただし、ヘッドホンを使って重厚な伴奏を付けた曲を弾いたり、デュアルモード(音色重層)を使うと音が途切れやすくなることがあります。
音質については、「価格を考えれば十分綺麗」という意見が多い一方で、一部の経験者からは「P-145と比べると、低音の響きが少しこもって聞こえる」「スピーカーの位置が下向きなので、床の素材で音が変わる」という指摘もありました(Yahoo!知恵袋での専門家見解より)。これは、P-45Bのスピーカーが本体底面に向けて設置されている構造上の特徴です。音の抜けを良くしたい場合は、専用スタンドではなく、少し高さのあるテーブルやキーボードスタンドに置くことで改善を試せるでしょう。
それでもP-45Bを買うなら。購入後にやっておきたい「小さなカスタマイズ」
P-45Bを最大限に快適に使うためには、本体以外の「周辺アイテム」に少しだけ投資することをおすすめします。
まず、付属ペダルに不満を感じたら、ヤマハ FC3Aという別売りのペダルを検討してください。これは半ペダル(ハーフペダル)操作に対応しており、重量感もあって滑りにくい設計です。実際に「FC3Aに替えたら練習の質が変わった」という口コミも複数見られました。
次に、安定性を重視するなら、純正のL-85スタンドではなく、頑丈なダブルブレースタイプのキーボードスタンドを別途購入するのが正解です。純正スタンドはコンパクトで見た目は良いのですが、どうしても剛性に欠けるため、激しいペダリングを行う際に本体がぐらつくことがあります。これはP-145も同様の構造なので、スタンドに求める安定感のレベルに応じて選びましょう。
どうしても迷ったら競合モデル「カシオ PX-S1100」も視野に入れて
P-45BとP-145の比較で悩み続けるより、少し視野を広げて競合モデルを見てみるのも手です。例えば、カシオ PX-S1100は、P-45Bより一回り高価(実売価格約6万円〜7万円)ですが、スマートハイブリッドハンマー鍵盤を搭載し、本体の奥行きがわずか23cmというスリムさが魅力です。2020年発売モデルながら、Bluetooth MIDI対応や192音のポリフォニーなど、スペック的にはP-145とP-225の中間を狙う一台です。鍵盤の押し込み感は好みが分かれるところですが、「デザイン性と省スペース」を最優先するなら有力な候補になります(カシオ公式サイト仕様より)。
結論:P-45Bは「割り切り」ができる人のための名機
改めて結論を述べます。P-45Bは、「安くてそこそこの鍵盤タッチが得られればいい」「音の細かい響きよりも価格重視」「練習環境を整える周辺機器は別途揃える前提」 という割り切りができる人にとっては、今でも買いの一台です。逆に、「とにかく最新の機能が欲しい」「付属品だけで完結させたい」「低音の響きにこだわりたい」という人は、最初からP-145やP-225を狙うか、または思い切って予算を上げてクラビノーバシリーズを検討した方が、長い目で見て満足度が高いでしょう。
P-45Bは、決して「古いからダメ」な製品ではありません。ただし、ネットのスペック表だけを信じて購入すると、届いたペダルの軽さに「えっ…」と驚くかもしれません。その「えっ」を回避するための情報を、この記事ではお伝えしました。自分にとって何が譲れないポイントなのかを整理して、あなたにぴったりの一台を見つけてください。

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