映画「溺れるナイフ」の劇中曲としても知られる「コウを追いかけて」。楽譜を手に入れてさっそく練習を始めようとしたとき、「♪=80」の表示を見て、メトロノームをどう設定すればいいのか迷ったことはありませんか?
結論から言うと、「コウを追いかけて」は4/4拍子、テンポ80(四分音符=80) が基本の曲です。メトロノームなら「BPM=80」「拍子=4/4」に設定すればOK。ただ、これだけ知っていても「なんか合わない」「チューナーとメトロノーム、どっちで設定するの?」という声も実際に多く見られます。この記事では、そうしたつまずきをひとつずつ解消しながら、この曲ならではの練習のコツまでお届けします。
メトロノームの基本:「コウを追いかけて」の場合どう設定する?
まずはシンプルに、この曲にメトロノームを使うときの基本設定を確認しましょう。
楽譜の冒頭に「♪=80」と書いてある場合、これは「1分間に四分音符を80回 刻むテンポ」という意味です。メトロノームでいうところの「BPM(Beats Per Minute)= 80」がこれにあたります。さらに拍子は「4/4拍子」が基本です。Yahoo!知恵袋のカテゴリマスター回答(2024年2月)でも、この曲は4/4拍子であると複数の楽譜所持者が証言しており、一部に2/4拍子版も存在する可能性が示唆されていますが、いずれにしても「BPM=80」の考え方は同じです。
では、具体的にメトロノームをどう設定するか。機器のタイプ別に見ていきましょう。
| 機器カテゴリ | 設定のコツ | 設定値 | 初心者向け使いやすさ |
|---|---|---|---|
| スマートフォンアプリ(無料〜数百円) | BPMを数字で直接入力。拍子も「4」にタップで設定 | BPM=80、拍子=4/4 | ★★★★★ 直感的でわかりやすい |
| 電子メトロノーム(1,500円〜5,000円程度) | 「Tempo」ボタンで80に合わせ、「Beat」ボタンで4に | Tempo=80、Beat=4 | ★★★★☆ ボタン操作に慣れればスムーズ |
| チューナー兼用機(2,000円〜8,000円程度) | まずモードを「メトロノーム」に切り替えてから同様の設定 | BPM=80、拍子=4/4 | ★★★☆☆ モード切替の知識が必要 |
| 機械式メトロノーム(振子式)(3,000円〜10,000円程度) | 重りを「80」の目盛に合わせるだけ。拍子設定はできないことが多い | 目盛=80 | ★★☆☆☆ 拍子は自分で数える必要あり |
拍子設定ができない機械式メトロノームを使う場合は、「1、2、3、4」と自分で数えながら、その「1」のところに強拍(アクセント)を合わせる感覚で使うとズレにくくなります。
意外と知らない?「チューナー」と「メトロノーム」の違い
検索エンジンでこの曲を調べると、「チューナーでどう設定するのか」という質問が複数見つかります(Yahoo!知恵袋、2024年12月時点)。これは意外と多くの人が混同しているポイントです。
チューナーは「音の高さ(ピッチ)」を調整するための機器で、メトロノームは「テンポ(速さ)」を刻むための機器。まったくの別物です。もしお手持ちの機器がチューナーとメトロノームの両方の機能を備えた「兼用機」なら、まずモードをメトロノーム側に切り替える必要があります。モード切替の表示が「Tuner」「Metronome」「Sound」などとあるので、「Metronome」を選んでから設定を始めてください。
「メトロノームが合わない…」と感じる本当の原因
実際のユーザー投稿を調べると、「設定したはずなのに曲と合わない」という困惑の声がいくつか確認できました。これはなぜでしょうか。
考えられる原因は主に3つです。
1. 拍子の取り方を誤解している
この曲は4/4拍子が基本ですが、楽譜によっては途中で拍子感が変わるように感じられるフレーズがあります。特に伴奏が細かく動く部分では、4拍子の「強・弱・中強・弱」のうち、どこにアクセントを置くかでメトロノームの「カチッ」という音と合っているかどうかの印象が変わります。メトロノームに合わせるときは、1小節の頭(1拍目) をしっかり意識することが大切です。
2. リタルダンド(徐々に遅く)の指示がある
この曲の楽譜には、終盤に向けて「rit.」(リタルダンド)の指示があるバージョンがあります。メトロノームは一定のテンポを刻み続ける機械なので、当然ながら「だんだん遅く」には対応できません。これはメトロノームの故障や設定ミスではなく、表現としてのテンポ変化が楽譜に書かれているからです。そういう箇所では、メトロノームを一時的に止めるか、無視して自分でテンポをコントロールするのが正解です。
3. 機械式メトロノームの機械的な誤差
古い機械式メトロノームは、ゼンマイの巻き具合や設置角度によって実際のテンポが目盛りと微妙にズレることがあります。もし機械式を使っていてどうもしっくりこないなら、スマホの無料アプリ(いくつか精度の高いものがあります)で実際のBPMを計測して比較してみるのも手です。
そもそも「メトロノームを使う曲ではない」って本当?
ネット上の回答の中には、「この曲はメトロノームを使う曲ではない」という意見も見かけます。しかしこれは正確な表現ではありません。
メトロノームは特定の曲に「使う」「使わない」があるものではなく、あくまで練習のための道具です。どんな曲でも、まずは正確なリズムを体に覚えさせるためにメトロノームを使うのは非常に有効です。特に「コウを追いかけて」のように、ゆったりしたテンポ(BPM=80)でありながら、メロディーに細かい音符が登場する曲では、メトロノームを使って正確なタイミングを意識することが仕上がりの精度を大きく左右します。
ただし、リタルダンドなどのテンポ変化や、演奏表現を最重要視する仕上げの段階では、メトロノームから離れて自分の感覚で歌うように弾くことがむしろ推奨されます。「使うな」ではなく、「練習段階によって使い分ける」というのが正しい理解です。
ステップ別「コウを追いかけて」メトロノーム練習法
では、具体的にどうメトロノームを活用して練習を進めればいいのか。段階を追って提案します。
ステップ1:リズムを身体に染み込ませる(BPM=80、4/4で固定)
まずはメトロノームをBPM=80に設定し、4拍子を刻ませます。このとき、まだ両手で弾かなくてもOK。右手(メロディー)だけ、あるいは左手(伴奏)だけを分けて、メトロノームの「カチッ」という音にぴったり合わせてみましょう。「音を聞いてから弾く」のではなく、「音と同時に弾く」イメージが大切です。
ステップ2:両手を合わせてみる(同じくBPM=80)
メロディーと伴奏、それぞれ単独でメトロノームに合わせられるようになったら、両手を合わせます。ここでズレやすいのが、伴奏の「1拍目」とメロディーの「1拍目」がしっかり重なっているかどうか。一度メトロノームを止めて、自分で「1、2、3、4」と数えながら両手の位置を確かめてから、もう一度メトロノームを入れるとスムーズです。
ステップ3:リタルダンド部分はメトロノームを切る
楽譜に「rit.」や「遅く」と書いてある部分が出てきたら、ここでメトロノームは一時停止です。むしろ、その前の小節まではしっかりメトロノームに合わせて正確なテンポをキープし、rit.に入ったら自分が思い切り「歌う」ようにテンポを落としていく。この切り替えを意識するだけで、演奏にぐっと「表情」が出ます。
ステップ4:全体を通して、メトロノームなしで表現を磨く
最後はメトロノームを完全に外して、自分の解釈でテンポの揺れをつけながら通して弾いてみましょう。ここまでメトロノームでしっかりリズムを身体に叩き込んでいれば、テンポがふらついても「軸」がブレにくくなっています。結果として、表現が豊かでありながらも芯のある演奏になるはずです。
「コウを追いかけて」、メトロノームはあなたの頼もしい練習パートナー
メトロノームは、あなたのリズム感を鍛えるための「練習の相棒」です。「コウを追いかけて」の基本テンポはBPM=80、拍子は4/4。この数字を覚えておけば、あとはどんなメトロノームでも迷わず設定できます。
もし今お持ちのメトロノームが機械式で拍子設定ができなくても、あるいはチューナー兼用機でモード切り替えに戸惑っても、この記事の設定表を参考にしながら一度ゆっくり試してみてください。リズムが整うと、曲の美しさがぐっと引き立ちます。
そして何より、表現を大切にする場面では、メトロノームから「卒業」する勇気も持ちましょう。正確さと表現力、その両方を手に入れるために、メトロノームを上手に使い分けていってください。あなたの「コウを追いかけて」が、より深みのある演奏になりますように。

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