シンセサイザー選びで「ローランド」の名前が頭に浮かんだとき、どんなモデルがあるのか、そしてどれを選べばいいのか、意外と迷ってしまいますよね。FANTOM、JUPITER、JUNO……シリーズ名は聞いたことがあっても、それぞれの違いや最新情報まではなかなか把握しきれないものです。
そこでこの記事では、2026年9月時点で手に入るローランドシンセサイザーの主要モデルを一覧にし、シリーズごとの特徴や価格帯、そして何より2024年10月に発売されたばかりの新「JUNO-D」シリーズの情報を中心に、あなたにぴったりの一台を見つけるためのヒントをまとめました。
結論から言うと、エントリーからミドルクラスで迷ったら、まず新「JUNO-D」シリーズをチェックするのが正解です。軽量でバッテリー駆動に対応し、しかも上位機種と同じZEN-Core音源を搭載。ライブにも自宅制作にもフィットする、まさに“今買うべき”最新モデルです。
一方で、プロ仕様のフラッグシップを求めるなら「FANTOM EX」シリーズ、ヴィンテージサウンドが好きなら「JUPITER-X」や「JUNO-X」が有力な選択肢になります。まずはこの全体像を頭に入れたうえで、各シリーズの詳細を見ていきましょう。
ローランドのシンセサイザーはどんなラインナップ?
現在のローランドのシンセサイザーは、大きく分けて「フラッグシップ・ワークステーション」「復刻・ヴィンテージ系」「エントリー~ミドルクラス」「バーチャルアナログ」「ハイブリッド」「コンパクト・ポータブル」といったカテゴリに分けられます。
それぞれのシリーズで搭載されている音源技術も異なり、2024年5月にはフラッグシップモデルが「FANTOM EX」シリーズへと進化。さらに同年10月には、エントリーモデルの定番だったJUNO-Dシリーズがフルモデルチェンジを果たしました(BARKS、2024年9月発表)。
このように、ここ数年でローランドの主力製品は大きくアップデートされています。古い情報に惑わされず、まずは現行モデルを正しく把握することが大切です。
フラッグシップモデル:FANTOM EXシリーズ
音楽制作からライブパフォーマンスまで、すべてのシーンで最高峰のパフォーマンスを求めるなら「FANTOM EX」シリーズが該当します。2024年4月のローランド公式発表によると、FANTOM EXシリーズは従来のZEN-Core音源に加え、アナログ回路をコンポーネントレベルで再現する「Analog Circuit Behavior(ACB)」テクノロジーを搭載(出典:ローランド株式会社ニュースリリース、2024年4月)。
これにより、往年のヴィンテージシンセのサウンドも、まるで実機を弾いているかのようなリアルさで再現できるのが最大の特徴です。
価格帯はFANTOM 6 EXで約39万円から、FANTOM 8 EXで約50万円前後(価格.com、2026年5月時点の市場価格目安)。プロの現場で求められる音質・機能・拡張性をすべて備えた、まさにローランドの総合的なフラッグシップと言えるでしょう。
復刻・ヴィンテージ系フラッグシップ:JUPITER-X / JUPITER-Xm / JUNO-X
「JUPITER」や「JUNO」の名前を聞いて、あの伝説的なアナログシンセのサウンドを思い浮かべる方も多いはず。そうしたヴィンテージ機のDNAを受け継ぎつつ、最新のZEN-Core音源と高度なコントロール性を両立させたのが、JUPITER-XシリーズとJUNO-Xです。
JUPITER-Xは約29~33万円、JUNO-Xは約22万円が価格の目安(価格.comより)。JUPITER-Xは特にライブパフォーマンスを意識した作りで、直感的にサウンドを変化させられる「I-ARPEGGIO」機能などが搭載されています。一方のJUNO-Xは、オリジナルのJUNOシリーズに愛着がある層に向けて、よりクラシックなサウンドメイクをしやすく設計されている印象です。
どちらも「ヴィンテージの雰囲気をまとった現代のシンセ」として、高い人気を誇っています。
2024年10月発売の最新エントリーモデル:JUNO-D6 / D7 / D8
ここがこの記事で最も注目したいポイントです。2024年9月にローランドから発表され、同年10月に発売された新「JUNO-D」シリーズ(JUNO-D6、D7、D8)は、それまでのJUNO-DSシリーズから大幅に進化しました(出典:BARKS、2024年9月24日)。
従来モデルとの違いは多岐にわたりますが、特に大きいのは次の3つです。
1つめは、音源がZEN-Coreに統一されたこと。これにより、JUNO-XやFANTOMシリーズと同等の高品質なサウンドが、エントリーモデルでも楽しめるようになりました。
2つめは、大幅な軽量化とバッテリー駆動対応。61鍵モデルのJUNO-D6はわずか5.8kg(島村楽器商品ページ、2026年1月時点)。これは同クラスのシンセとしては驚くべき軽さで、持ち運びやライブセッティングの負担が劇的に減りました。
3つめは、鍵盤数のバリエーションが増えたこと。61鍵(D6)、76鍵(D7)、88鍵(D8)の3機種が用意され、ピアノタッチを重視するユーザーや、広い音域を必要とするプレイヤーにも対応しています。
価格はJUNO-D6が約11万円、D8が約17万5千円前後(島村楽器サイト参照)。このスペックと価格帯を考えると、初心者から中級者、さらにはサブ機としての導入を考える上級者まで、非常に幅広い層におすすめできるシリーズです。
音作りを楽しむ入門・中級機:GAIA 2 / JD-XA / JD-Xi
「シンセサイザーの音作りそのものを楽しみたい」という方には、GAIA 2やJD-XA、JD-Xiといったモデルも選択肢に入ってきます。
GAIA 2はバーチャルアナログ方式を採用し、約7万円台という手頃な価格ながら、アナログライクな操作性と音の太さが魅力。特にシンセ初心者が「音作りとは何か」を学ぶには最適な一台と言えるでしょう。
一方のJD-XA(約22万円)とJD-Xi(約5万円台~中古含む)は、アナログ回路とデジタル音源をハイブリッドで搭載した変わり種。JD-XAに至っては、本体にアナログ・シンセサイザー回路を実際に搭載しており、デジタルでは出せない温かみのあるアナログサウンドと、デジタルの多様性を同時に味わえる稀有なモデルです。
価格.comのユーザーレビューを見ると、JD-XAのデザインについては「奇抜でかっこいい」という意見と「実用性を考えると微妙」という意見が分かれていました。また、多機能すぎてすべてのパラメータを調整しきれないという声もあったため、購入前には実際に店頭で触れてみることをおすすめします。
コンパクト&ポータブル:AIRA Compactシリーズ / GOシリーズ
「まずは手軽にシンセを始めたい」「スペースを取らずに音楽制作を楽しみたい」という方には、AIRA CompactシリーズやGOシリーズも魅力的です。
AIRA CompactシリーズはJ-6やS-1など、ミニ鍵盤やパッド操作が主体の小型シンセ・エフェクターで、価格は約2万5千円~3万円前後。モジュラーシンセのような実験的なサウンドメイクもでき、場所を選ばずに遊べるのが大きな強みです。
GO:KEYSやGO:PIANOシリーズも、手軽な価格帯と直感的なインターフェースで、初心者やキッズ向けの入門機として根強い人気があります。
結局どれを選べばいい?ユースケース別おすすめ
ここまで各シリーズの特徴を見てきましたが、結局「どのモデルを選べばいいのか」という疑問に答えるために、ユースケース別にまとめてみましょう。
- 「とにかく最新で、コスパの良い一台が欲しい」
→ 新JUNO-Dシリーズ(D6/D7/D8)が最有力。ZEN-Core音源・軽量・バッテリー駆動と、現行モデルならではのアドバンテージが詰まっています。 - 「プロの現場でガッツリ使えるワークステーションが欲しい」
→ FANTOM EXシリーズ。価格は高めですが、その分サウンドクオリティと機能性は別次元です。 - 「ヴィンテージのあのサウンドが欲しい」
→ JUPITER-XまたはJUNO-X。特にJUNO-XはJUNOファンにとってはたまらない一台でしょう。 - 「シンセ初心者で、音作りを一から学びたい」
→ GAIA 2。価格も手頃で、操作パネルが視覚的にわかりやすく設計されています。 - 「外出先や自宅のちょっとしたスペースで使いたい」
→ AIRA CompactシリーズやGOシリーズ。小さくても遊び心にあふれた製品が揃っています。
まとめ:ローランドシンセサイザーは今、最も“選びやすい”時代
かつては「高価で手が出しにくい」「専門的すぎてわからない」というイメージもあったローランドのシンセサイザーですが、2024年を境にその状況は大きく変わりました。最新のJUNO-Dシリーズのように、エントリーモデルでもフラッグシップ譲りの音源を搭載し、軽量化・バッテリー駆動といった実用的な進化を遂げているからです。
同時に、FANTOM EXやJUPITER-Xなど、プロやこだわりユーザー向けのハイエンドモデルもさらに進化を続けています。
あなたがどのレベルで、どんな目的でシンセサイザーを求めているのか——それを明確にすれば、自ずと選ぶべきモデルは絞られてくるはずです。ローランドのシンセサイザーは、今まさに「選びやすい時代」を迎えています。ぜひこの一覧を参考に、あなただけの最高の一台を見つけてください。

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