「楽譜に♩=64って書いてあるからメトロノームを64に合わせよう」と思ったら、手元の機械式メトロノームに「64」の目盛りがなくて困ったことはありませんか?実はこれ、メトロノームの仕様によるもので、多くの機械式メトロノームではBPM=64が設定できないようになっています。結論から言えば、BPM=64で正確に練習したいなら電子式メトロノームかスマホアプリを使うのが確実です。この記事では、なぜ機械式で64が設定できないのか、その理由とともに、BPM=64ならではの練習効果を最大化する方法まで詳しく解説していきます。
メトロノーム64が設定できない?機械式メトロノームの「ペンデュラム・ステップ」とは
最初に押さえておきたいのが、機械式メトロノームのテンポ刻みのルールです。多くの機械式メトロノームは「ペンデュラム・ステップ」という方式を採用しており、テンポが均等な間隔で変化するわけではありません。具体的には、BPMが40から60までは2刻み、60から120までは3刻み、120から208までは4刻みで設定できるようになっている製品がほとんどです(出典:36ミュージックの解説記事、公開年月不明)。
この仕組みによって何が起こるかというと、BPM=60の次が63、その次が66といったように、BPM=64や65が設定項目から抜け落ちてしまうのです。つまり、あなたがお持ちの機械式メトロノームに「64」という数字が見当たらなくても、それは故障ではなく、製品としての正常な仕様なんです。
しかも機械式メトロノームにはもう一つ注意点があります。置く場所が水平でなかったり、ゼンマイの巻き具合によってテンポに誤差が生じることがあるんです(出典:PHONIMの記事「メトロノームを使いこなす!役に立つ練習法」、公開年月不明)。振り子の動きは視覚的にわかりやすいですが、正確性という観点ではやや不安が残るのも事実です。
BPM=64はどんなテンポ?「アンダンテ」の本当の感覚
BPM=64というテンポは、音楽用語で言うと「アンダンテ(歩くような速さ)」に相当します。1分間に64回の拍があるわけですが、これは人間の心拍数に近いと言われることもあり、非常に自然で落ち着いた速度感覚です。バラードやスローな楽曲の練習はもちろん、速い曲をゆっくりとしたテンポで練習する「スロー練習」のときにもよく使われる数字です。
ただし、BPM=64は初心者にとっては意外に難しいテンポでもあります。「遅いから簡単」と思いがちですが、逆に拍と拍の間が長い分、自分で正確な間を保つ力が求められます。メトロノームの音に依存しすぎると演奏が機械的になってしまいますし、かといって無視するとどんどんテンポが狂っていきます。この絶妙なバランスを取る練習にこそ、BPM=64は最適なんです。
【比較表】BPM=64を設定するなら機械式?電子式?実機?アプリ?
ここで、BPM=64を設定する際の実用性を比較してみましょう。調査結果に基づいて、機械式と電子式(実機・アプリ)の違いをまとめました。
| 項目 | 機械式(振り子式)メトロノーム | 電子式メトロノーム(実機・アプリ) |
|---|---|---|
| BPM=64の設定のしやすさ | 難しい。ペンデュラム・ステップのため、ほとんどの機種で64という値が存在せず、63か66になる。 | 非常に簡単。上下ボタンやスライダーで1刻み、またはタップテンポで正確に64に設定可能。 |
| テンポの正確性 | 低い。置く場所の傾きやゼンマイの状態で誤差が生じやすい。 | 高い。水晶振動子などを使用しているため、誤差はごくわずか。 |
| メリット | 視覚的に振り子の動きを確認でき、拍の感覚が掴みやすい。特にクラシック音楽の雰囲気作りに向く。 | ヘッドホン使用可能、多機能(チューナー内蔵、リズムトレーナー)、BPM64のような中間値も正確に設定できる。 |
| デメリット | BPM64が設定できない機種が多い。音量調整不可。外部の振動に弱い。 | アプリはスマートフォンの通知やスペックに影響を受ける可能性がある。 |
| おすすめのユーザー | クラシック音楽家、機械の風合いを楽しみたい上級者。ただし64にこだわる場合は非推奨。 | ドラマーやロック/ポップス奏者、正確なテンポ設定を求めるすべての練習者。特にBPM=64での練習には必須。 |
この表を見てわかる通り、もしあなたが「どうしてもBPM=64で練習したい」というなら、電子式メトロノームかアプリを選ぶのが賢明です。KORGのMA-1やMA-2、YamahaのTDM-710といった製品なら1BPM単位での設定が可能で、ストレスなく64を呼び出せます。
機械式メトロノームユーザーがBPM=64で練習するための3つの代替案
とはいえ、「でも、手持ちの機械式メトロノームを使いたい」という方もいるでしょう。そんなあなたのために、機械式でBPM=64相当の練習をする代替案をいくつか紹介します。
1つ目は、BPM=63または66で代用する方法です。 機械式の目盛りに合わせると、64に近い値として63か66が選べることがほとんどです。厳密には64ではありませんが、人間の耳ではこの程度の差はほとんど識別できません。特に練習初期の段階では、このどちらかで問題なく練習を進められます。
2つ目は、スマートフォンの無料アプリを併用することです。 機械式の視覚的な動きを楽しみながら、実際のテンポ確認はアプリで行うというハイブリッドな使い方です。アプリなら「Pro Metronome」のようにリズムトレーナー機能がついたものもあり、音をミュートして自分の感覚だけで一定テンポを保てるかトレーニングすることもできます(出典:Google Play「Pro Metronome」アプリ説明、最終更新日不明)。
3つ目は、機械式メトロノームのテンポを正確に測定する方法です。 スマホのテンポチェッカーアプリを使って、実際に鳴っている音が何BPMなのかを計測してみてください。置き場所を調整することで、表示とは異なるBPMが出ていることもあります。これを逆手に取って、「63の目盛りで実際には64になっている」という状態を作り出せれば、機械式だけで正確な64に近い練習が可能になります。
BPM=64の練習効果を最大化する3つのコツ
ここからは、せっかくBPM=64を設定できたとして、それをどう効果的に練習に活かすかについてお話しします。メトロノームに合わせるだけではもったいないですよ。
コツ1:2拍目と4拍目を消す練習をする
メトロノームがすべての拍を刻んでいると、どうしても音に頼りすぎてしまいます。アプリなどで特定の拍をミュートできる機能を使い、あえて2拍目と4拍目を消してみましょう。BPM=64のような遅いテンポでは、自分の体内時計で拍を感じ取る力が鍛えられます。最初は戸惑うかもしれませんが、これができるようになると、バンドアンサンブルでのグルーヴ感も格段に向上します。
コツ2:付点リズムで練習する
同じフレーズを、まずは普通の8分音符で練習し、次に付点のリズム(タッタッタッタッ)で練習します。BPM=64はゆっくりなので、指の動きを細かく観察しながら練習できる絶好のテンポです。付点リズムにすることで、指の独立性や脱力がより明確に意識できるようになります。
コツ3:あえてメトロノームを外して録音する
最終的にはメトロノームなしでも一定のテンポを保てるようになるのが目標です。BPM=64で練習した後、メトロノームを止めて同じフレーズを演奏し、スマホで録音してみてください。再生してみると、思った以上にテンポが乱れていることに気づくはずです。自分の演奏を客観的に聴くことは、上達への近道です。
BPM=64には電子式メトロノームかアプリがおすすめな理由
ここまでの話を総合すると、BPM=64でストレスなく、かつ正確に練習したいなら、電子式メトロノームかスマホアプリを選ぶのが最適解です。機械式の風合いや見た目の楽しさは確かにありますが、64という数値にこだわるのであれば、その正確性と設定のしやすさは電子式に軍配が上がります。
特にアプリの場合は、すでにスマートフォンを持っている人なら追加コストがほぼかからないのも魅力です。ただし、アプリに関してはスマートフォンの機種やOSバージョンによって動作に不具合が出るケースもあるようです。Google Playのレビュー(2026年8月29日確認)では、バージョンアップや端末変更による動作不良の報告が複数見られましたので、インストールの際には対応機種をよく確認してください。
まとめ:メトロノーム64設定の壁を乗り越えて、効果的な練習を始めよう
いかがでしょうか。メトロノームのBPM=64が設定できないのは、機械式メトロノームの「ペンデュラム・ステップ」という仕様が原因でした。故障ではないのでご安心ください。そして、もしどうしても64というテンポで練習したければ、電子式メトロノームかアプリを活用するのが確実でおすすめです。
KORG MA-1やMA-2、Yamaha TDM-710といった製品なら、1BPM単位での調整が可能で、正確なテンポを刻んでくれます。また、スマホアプリなら「Pro Metronome」のように多機能なものもあり、リズムトレーニングにも活用できます。
BPM=64は遅いからこそ、自分の演奏を細かく見直すチャンスです。正しい機器を選び、効果的な練習法を取り入れて、ぜひワンランク上の演奏を目指してください。あなたの練習が実りあるものになりますように。

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