「NovationのMIDIキーボード、どれを買えばいいんだろう?」
Ableton Liveを使っているならLaunchkey、FL Studioを使っているならFLkey──そう言われることが多いですよね。でも実際はもっと複雑で、「どのDAWで何を作りたいか」だけでなく「どんなシーンで使うか」まで含めて選ぶべきモデルが変わってきます。
この記事では、2026年5月〜7月に発表・発売されたFLkey 2シリーズとLaunchkey 88 MK4といった最新モデルの情報を踏まえつつ、実際のユーザーが抱えている不満や疑問(「Ableton以外のDAWだとどうなの?」「FLkey 2は他でも使えるの?」)にも答えながら、あなたにぴったりの1台を特定していきます。結論から言うと、FL Studioをメインで使うならFLkey 2シリーズ、それ以外のDAWや汎用的なMIDIコントローラーが欲しいならLaunchkey MK4シリーズが基本線です。ただし、この2シリーズの間には「フル機能を使えるDAWの範囲」や「鍵盤のタッチ」、「外部シンセとの連携可否」といった、知っておかないと後悔する重要な違いがいくつもあります。
2026年、Novationに何が起きたのか?最新動向をまず押さえる
この記事を読んでいる時点で、もしかしたら「MK3とMK4、何が違うの?」とか「FLkeyってまだ売ってるの?」と思っているかもしれません。実は2026年の前半から夏にかけて、NovationのMIDIキーボードラインアップには大きな動きがありました。
まず2026年5月頃、FL Studio専用コントローラーFLkeyの第2世代「FLkey 2」シリーズが発表・発売されました(MusicTechの2026年7月記事より)。初代FLkeyからの大きな変更点は、エンドレスエンコーダーの採用、OLEDディスプレイの搭載、そしてキーボードスプリット&レイヤー機能の追加です。FL Studioユーザーにとっては、まさに「待ってました」のアップデートだったと言えるでしょう。
続いて2026年7月中旬、Launchkey MK4シリーズに88鍵盤モデル「Launchkey 88 MK4」が追加されました(MusicTech発表記事、2026年7月)。価格は$449(公式発表時点)で、セミウェイテッド鍵盤を搭載。これでMK4シリーズは25/37/49/61/88の5サイズが出揃ったことになります。さらに2026年6月にはLaunchkey 61のホワイトエディションも発売されており、カラーバリエーションの選択肢も広がりました。
つまり今、NovationのMIDIキーボードは「FL Studioに特化したFLkey 2シリーズ」と「幅広いDAWとシーンに対応するLaunchkey MK4シリーズ」の二大ラインアップが、それぞれ充実した状態で並んでいるのです。この構造を理解せずに「なんとなくLaunchkey」を選んでしまうと、せっかくのFL Studio向け機能を使いこなせずに損をする可能性もありますし、逆に「FLkeyはFL Studio専用でしょ」と決めつけてLaunchkeyを選んだ結果、FL Studioでの操作効率が悪くて後悔するかもしれません。
Launchkey MK4 vs FLkey 2:根本的な設計思想の違い
まず大前提として、この2シリーズは**「どのDAWをメインにするか」**で選ぶのが最も妥当な軸です。Novation公式サポートの比較ページ(2026年7月公開)には、両シリーズの違いが明確にまとめられています。
Launchkey MK4シリーズの設計思想は「Ableton Liveをはじめとする主要DAW全般との統合」です。公式にスクリプトが用意されているDAWはAbleton Liveのほか、Logic Pro、Cubase、FL Studio、Bitwig、Reason、Ardourと幅広く(Novation公式サポートページより)。つまり、LogicユーザーがLaunchkeyを買っても、Cubaseユーザーが買っても、しっかりと公式サポートがあるわけです。特にAbleton Liveとの連携はシームレスで、デバイスコントロールやセッションビューの操作も直感的に行えます。
一方FLkey 2シリーズは、その名の通りFL Studioに完全最適化されています。Channel RackやStep Sequencer、ミキサー、ピアノロールなど、FL Studioの主要ウィンドウをほぼマウスレスで操作できるように設計されています。FLkey 2のレビュー(MusicTech、2026年7月)でも、「FL Studioのワークフローを物理コントローラーで再現することに成功した」と高く評価されています。
ここで重要なのは、FLkey 2も他のDAWで使えないわけではないという点です。MIDIコントローラーとしての基本機能(鍵盤、パッド、ノブなど)は汎用的に使えます。ただしFL Studio以外のDAWでは、専用スクリプトによる高度な統合機能(Channel Rack操作やプラグインの自動マッピングなど)は利用できません。また、FLkey 2に搭載されているOLEDディスプレイの表示内容も、FL Studio以外では限定的になります。
つまり、「FL Studio以外のDAWもよく使う/今後変えるかもしれない」という人はLaunchkey MK4を選ぶほうが無難であり、「ここ数年はFL Studio一本でいく」という強い意志があるならFLkey 2を選ぶべきというのが筆者の見解です。
88鍵が欲しい人、軽量コンパクトが欲しい人:鍵盤サイズ・タイプの選び方
ここまでの話で「じゃあ自分はLaunchkeyでいいや」と思った方も、「いやFLkey 2にする!」と決めた方も、次に考えるべきは鍵盤のサイズとタイプです。
Novationのラインアップは以下のようになっています(各モデルの公式発表・製品仕様に基づく)。
- Launchkey MK4シリーズ:25鍵(ミニ鍵盤)、37鍵(ミニ鍵盤)、49鍵(セミウェイテッド)、61鍵(セミウェイテッド)、88鍵(セミウェイテッド)
- Launchkey Mini MK4シリーズ:25鍵(ミニ鍵盤)、37鍵(ミニ鍵盤)※軽量コンパクトモデル
- FLkey 2シリーズ:Mini 25鍵(ミニ鍵盤)、37鍵(ミニ鍵盤)、49鍵(セミウェイテッド)、61鍵(セミウェイテッド)
ここで注目したいのは、88鍵モデルはLaunchkey MK4にしかないという点と、Launchkey Mini 37 MK4は重量が約0.98kg(Digimart製品ページ、2026年8月時点)と非常に軽量であるという点です。
実際のユーザーの声をSNSやレビューサイトで集計したところ、「Mini 37は机の上で邪魔にならず、持ち運びも楽」というポジティブな意見が複数確認されました。一方で、「49鍵以上のモデルに搭載されているフェーダーの質感が安っぽい」「この価格帯でアフタータッチが非搭載なのは残念」というネガティブな声も見受けられました。
これらの情報を踏まえると、鍵盤選びの基準は以下のように整理できます。
- ピアノタッチで本格的な演奏をしたい/両手で広域を弾きたい → Launchkey 88 MK4(唯一の88鍵)
- 机のスペースが限られている/持ち運びが多い → Launchkey Mini 37 MK4(約0.98kg)またはMini 25 MK4
- 予算は抑えたいけどミニ鍵盤は嫌だ → Launchkey 49 MK4またはFLkey 2 49(セミウェイテッドのエントリーモデル)
- FL Studioでステップシーケンスを多用する → FLkey 2 37(ミニ鍵盤でも機能は充実)
「Ableton以外のDAWでも大丈夫?」という不安に答える
ここで多くのユーザーが抱える疑問の一つが、「Launchkey MK4はAbleton Live専用なんじゃないの?」というものです。これはインターネット上の一部の情報が原因で広まった誤解ですが、公式情報を確認すれば完全に間違いだとわかります。
先述の通り、Launchkey MK4シリーズにはLogic ProやCubase、FL Studio、Bitwig、Reason、Ardour向けの公式スクリプトが用意されています。さらに、HUIモードを使えばPro ToolsやStudio OneといったDAWでもトランスポート操作(再生/停止/録音など)やミキサーコントロールが可能です。
ただしここで注意したいのは、「公式スクリプトがある=Ableton Liveと同じレベルで使える」わけではないという点です。実際のユーザーからは、「Studio Oneでの統合が浅く、期待していた機能が使えなかった」という声や、「Komplete Kontrolとの双方向通信が未完成で使い物にならない」といった不満も確認されています。また、FLkey 2をFL Studio以外で使う場合も同様で、サードパーティープラグインの自動マッピングには対応しておらず、手動で割り当てる必要があります。
つまり結論としては、「Launchkey MK4はAbleton Liveが最もシームレスだが、他DAWでも実用的に使える」。ただし「Ableton Liveと同じレベルの統合を他DAWに期待するのは現実的ではない」というのが正直なところです。もしあなたがLogic ProやCubaseをメインで使っていて、「できるだけシームレスに使いたい」というなら、それらのDAWに特化したコントローラー(例えばLogicならNektar、CubaseならCC121など)を検討したほうが幸せになれる可能性もあります。それでもNovationのパッドやアルペジエーター機能がどうしても欲しいというなら、ある程度の割り切りは必要です。
実際に選ぶなら?シーン別おすすめモデル
ここまでの情報を整理して、ユーザータイプ別のおすすめモデルを表にまとめました。各数値や機能の根拠はNovation公式サイトおよび各レビューサイトの情報に基づいています(2026年7月〜8月時点)。
| ユーザータイプ/シーン | 推奨シリーズ | 推奨モデル(鍵盤数) | 選定理由 |
|---|---|---|---|
| FL Studioヘビーユーザー | FLkey 2 | 37 / 49 / 61 | Channel RackやStep Sequencerをマウスレスで操作可能。FL Studio専用スクリプトにより最高効率を実現(MusicTechレビュー、2026年7月)。 |
| Ableton Liveユーザー(スタジオ主体) | Launchkey MK4 | 49 / 61 / 88 | Abletonとの強力なスクリプト統合(デバイスコントロール、セッションビュー)。88鍵はセミウェイテッドでピアノタッチも良好(Launchkey 88 MK4発表記事、2026年7月)。 |
| Ableton Liveユーザー(持ち運び多い) | Launchkey Mini MK4 | 25 / 37 | 超コンパクト(Mini 37は約0.98kg)でバスパワー駆動。タッチストリップ搭載。機能は大型モデルとほぼ同等(Digimart製品ページ、2026年8月時点)。 |
| その他DAW(Logic/Cubaseなど)ユーザー | Launchkey MK4 | 状況に応じて | 主要DAW向け公式スクリプトが用意されており汎用性が高い(Novation公式サポートページ、2026年7月)。FLkeyはFL Studio以外ではオーバースペック。 |
| 外部シンセやハードウェアと併用したい | Launchkey MK4 | 49 / 61 / 88 | 5ピンMIDI OutとCustom Modes(Componentsで設定)により外部シンセのセンターコントローラーとして利用可能。 |
| 予算重視・初心者 | Launchkey Mini MK4 | 25 | 最もエントリーしやすい価格帯(約$109〜)ながら、コードモードやスケールモードなど創作補助機能が一通り搭載。 |
まとめ:あなたのDAWとシーンで選ぶのが正解
NovationのMIDIキーボード選びで迷ったら、最終的には「メインのDAW」と「使うシーン」の2つで決めるのが間違いありません。
- FL Studioがメイン → FLkey 2シリーズ(特に37鍵以上をおすすめ)
- Ableton Liveがメイン → Launchkey MK4シリーズ(持ち運びならMini 37、スタジオなら49以上)
- Logic/Cubase/その他DAWがメイン → Launchkey MK4シリーズ(ただし統合レベルはAbletonほど完璧ではないと割り切る)
- 外部シンセも含めて汎用的に使いたい → Launchkey MK4シリーズ(MIDI Out搭載モデルを選ぶ)
2026年に入ってからFLkey 2シリーズが大幅進化し、Launchkey 88 MK4も追加されたことで、NovationのMIDIキーボードはますます選択肢が広がりました。選択肢が増えるということは、それだけ「自分にぴったりの1台」に出会えるチャンスでもあります。この記事で整理した軸をもとに、あなたに最適な一台を見つけてください。

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