「RolandのMIDIキーボードが気になるけど、A-49とA-800PROとA-88MKIIのどれがいいのか、さっぱりわからない……」そんな悩みをお持ちではありませんか?
結論から言います。ピアノのタッチ感を最重視するならA-88MKII、コントローラー数とコスパのバランスを取るならA-800PRO、とにかく軽くてコンパクトなサブ機が欲しいならA-49がそれぞれベストな選択です。ただし、ここで終わらないのがRoland製品の面白いところ。各モデルにはスペック表だけでは伝わらない「実際に使い始めてから気づく長所・短所」が存在します。
本記事では、SNSやレビューサイトで実際にユーザーから上がっている生の声を集計し、さらに各モデルの実用的な比較表を独自に作成。スペックの羅列ではわからない「買って後悔しない選び方」を、2026年8月時点の最新情報をもとにお届けします。
Roland MIDIキーボードの主要モデルを徹底比較
RolandのMIDIキーボードと言えば、プロ仕様のコントローラー「Aシリーズ」が看板製品です。このシリーズには大きく分けてA-49、A-800PRO、A-88MKIIの3モデルがラインナップされています。また、よりエントリー向けの「GO:KEYS」シリーズも存在しますが、本記事ではMIDIコントローラーとしての機能性を重視するAシリーズを中心に比較を進めます。
各モデルの基本的なスペックを、実際の使用シーンを想定した視点でまとめてみました。
| モデル名 | 鍵盤タイプ | 鍵盤数 | 重量 | 特筆すべきコントローラー | こんな人におすすめ | ここが気になるポイント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A-49 | シンセアクション | 49鍵 | 2.5kg | ピッチ/モジュレーションレバー、D-BEAM | 机の上が狭い人、持ち運びを頻繁にする人、サブキーボードが欲しい人 | コントローラーが最低限。DAWのミックス操作を細かくやりたい人には物足りない |
| A-800PRO | シンセアクション | 61鍵 | 4.5kg | 9フェーダー、9ノブ、8パッド、D-BEAM | スタジオでのメインコントローラーを探している人、コスパ最強を求める人 | 鍵盤がシンセアクションのため、ピアノタッチにこだわる人には不向き |
| A-88MKII | PHA-4 ハンマーアクション | 88鍵 | 16.2kg | 8ノブ、8パッド(小型)、MIDI 2.0対応 | 本格的なピアノタッチでMIDI打ち込みしたい人、スタジオ常設用 | 重量があり持ち運びは困難。パッドが小さく操作性に不満が出ることがある |
(各数値の出典:Midifan 2021年3月製品レビュー、同2021年7月ニュース記事)
この表だけ見ると「機能が多ければA-800PRO、鍵盤のクオリティならA-88MKII」と単純に思えるかもしれません。しかし、実際にこれらの製品を使ったユーザーからは、スペックだけでは読み取れない「リアルな声」が多数上がっています。次にその生の声を見ていきましょう。
ユーザーの生の声から見える「スペックに隠れた真実」
SNSやレビューサイトでの口コミを集計したところ、特に以下のポイントで賛否が分かれていることがわかりました。
ポジティブな声の傾向
A-88MKIIのPHA-4鍵盤に対しては、「リアルなピアノにかなり近い打鍵感」「弾いていて気持ちいい」という評価が複数確認されています。とりわけ、MIDIコントローラーでありながらグランドピアノに近いタッチを実現している点は、他社製品と比較しても高く評価されているポイントです。
また、A-88MKIIは幅が非常にコンパクトに設計されており、88鍵盤モデルとしてはスタジオに設置しやすいという声も複数見られました。重量は16.2kgと決して軽くはないものの、競合の88鍵ハンマーアクションモデル(例:StudioLogic SL88 Grandは約20.8kg)と比較すると、その軽さは設置のしやすさに直結するメリットと言えます(Midifan 2021年3月製品レビューより)。
ネガティブな声・不満の傾向
一方で、A-88MKIIのパッドの小ささに対する不満は非常に顕著でした。8つのパッドはRGBバックライト付きで見た目は派手なものの、サイズが約19×13mmとかなり小さく、「押しにくい」「正直なところ無駄にスペースを取っている」といった厳しい意見が複数のレビューで確認されています(Midifan製品レビューコメント欄やフォーラム、2026年8月確認)。
また、A-800PROには搭載されている「D-BEAM(光感応コントローラー)」がA-88MKIIで廃止されたことを残念がる声も根強いものがありました。D-BEAMは手をかざすだけで音にエフェクトをかけられるRoland独自の機能で、ライブパフォーマンスでの面白さを評価していたユーザーにとっては、この機能の消失は大きなマイナスポイントだったようです(X上での投稿、2026年8月確認)。
さらに、A-88MKIIのUSB接続に関する注意点も見逃せません。Type-C端子を採用しているものの、iOSデバイスと接続する場合はAppleのカメラアダプタが別途必要になります。加えて、全てのUSB給電環境で安定動作が保証されているわけではなく、特に全てのLEDを高輝度で点灯させるような消費電力の大きい使い方では、別途ACアダプターの使用が推奨されるケースがあることが正規販売店から案内されています(広東駿緯文化股份有限公司の解説記事より)。
モデル間の「弾き心地」の違いをどう見極めるか
数あるMIDIキーボードの中でも、Roland製品の最大の特徴はやはり「鍵盤のクオリティ」にあります。ここでは、各モデルの鍵盤の違いをもう少し深掘りしてみましょう。
A-49とA-800PROに搭載されているのは「シンセアクション」と呼ばれる鍵盤です。これはバネの反発で戻ってくる軽めのタッチが特徴で、シンセサイザーやオルガンのような速いパッセージを弾くのに適しています。ただ、この2つのモデルで同じ「シンセアクション」という名称ですが、実際のフィーリングには個体差があるという指摘も一部のフォーラムで見られます。とはいえ、基本的にはどちらも「軽くて弾きやすい」という共通の方向性です。
一方、A-88MKIIの「PHA-4 Standard鍵盤」はまったくの別物です。象牙調の感触を持つ表面材質に加え、グランドピアノに搭載されている「擒縦機構(エスケープメント)」という機構を再現しています。これは、鍵盤をそっと押し込んだときに小さなクリック感が得られるというもので、ピアノ経験者にとっては非常に重要な「弾きごたえ」を生み出します。また、MIDI 2.0規格のHigh-Resolution Velocityにも対応しており、極めて細かいタッチのニュアンスをデータとして出力できるのも強みです(Midifan 2021年3月製品レビューより)。
つまり、ここで重要なのは「シンセアクション」と「PHA-4ハンマーアクション」は値段が違うだけでなく、「演奏できる音楽の幅」や「表現の細かさ」にも直結する違いがあるということ。電子ピアノやアコースティックピアノの経験が長い人ほど、A-88MKIIを選んだほうが違和感なく演奏に集中できるでしょう。
A-88MKIIのUSB給電にまつわる「注意点」を検証
ここで一つ、ネット上で時に混乱が見られる論点を整理しておきます。それはA-88MKIIのUSB給電に関する話題です。
一部の記事では「Type-Cで給電可能」とだけ書かれていますが、これは正しいようでいて実運用上は注意が必要です。先述の通り、状況によってはACアダプターが推奨されるケースがあります。
具体的には、消費電力が大きい状態、例えば本体のLEDインジケーターを全て高輝度で点灯させながら使用する場合や、iOSデバイスと接続する場合には、USBバスパワーだけでは電力が不安定になるリスクがあります。これは仕様上の欠陥ではなく、むしろ「安定動作のための推奨環境」の違いによるものです。
もしA-88MKIIの購入を検討しているなら、最初からACアダプター(PSB-1Uなど)の購入も視野に入れておくのが無難です。特に、ライブやスタジオセッションなど絶対に動作が止められない環境で使うなら、電源周りは確実にしておきましょう。
RolandのMIDIキーボードに「D-BEAM」はもういらない?
A-800PROには搭載され、A-88MKIIでは廃止された「D-BEAM」についても少し触れておきます。
D-BEAMは赤外線センサーを使って手の動きを検知し、ピッチベンドやフィルターのカットオフ周波数をコントロールできるというユニークな機能です。ライブでのパフォーマンス性を高めるための「おもちゃ」的な印象を持たれることもありますが、使いこなせば非常に表現の幅が広がるツールでもありました。
この機能がA-88MKIIで採用されなかった理由は公式には発表されていませんが、本体のコンパクト化やコストダウンの影響と見られます。D-BEAMを必須機能と考えるユーザーは、あえてA-800PROを選ぶか、あるいはRolandのシンセサイザーFANTOMシリーズなど上位機種への買い替えを検討することになるでしょう。
結局、どのRoland MIDIキーボードを選ぶべきか
ここまでの比較とユーザー評価を踏まえ、最終的な選び方をまとめます。
- ピアノのタッチ感を何より重視するなら → A-88MKII。重量と価格は高いですが、その分「弾く喜び」を最も感じられるモデルです。ただし、パッドの小ささやD-BEAM非搭載といった割り切りが必要。スタジオに据え置きで使うのがベストです。
- コスパと機能性のバランスを取るなら → A-800PRO。61鍵で十分な鍵盤数を持ちながら、フェーダーやノブ、パッドが豊富に搭載されています。DAWでの細かなオートメーション操作を快適に行いたい方にとっては、現時点でも非常にコストパフォーマンスの高い選択肢です。
- 省スペース・サブ機として使うなら → A-49。必要最低限の機能に絞られている分、コンパクトで軽量。出張先での持ち運びや、メインキーボードの脇に置いて即座に使える2台目としての役割を果たします。
また、MIDIコントローラーとしてではなく「電源を入れてすぐに音が出る楽器」としての用途を考えるなら、Roland GO:KEYSシリーズという選択肢もあります。ただし、MIDIコントローラーとしての拡張性(外部へのアサインが可能なノブやフェーダーの数)はAシリーズに一歩譲るため、DAWでの本格的な制作をメインとするならAシリーズのほうが適しています。
今回の比較で強調したいのは、スペック表の数値だけでは測れない「実際に使った人の評価」が購入後の満足度を大きく左右するということです。特にパッドのサイズ感やD-BEAMの有無、USB給電の安定性といった細かいポイントは、実際に店頭で触れるか、あるいは今回のようなリアルな口コミ情報を参考にしないと見えてこない部分でしょう。
RolandのMIDIキーボードは、製品ごとにしっかりとキャラクターが異なります。自分の演奏スタイルや制作環境に最もフィットする1台を、ぜひこの記事を参考に選んでみてください。

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