「電子ピアノを買ったけど、防音マットって本当に必要なの?」「階下に音が響かないか心配…」——そんな不安をお持ちの方に、まず結論をお伝えします。
電子ピアノには必ず防振・防音対策が必要です。特にマンションやアパートでは、音ではなく「打鍵の振動(固体音)」がトラブルの原因になります。 多くのユーザーが階下対策だけを意識していますが、実際には階上や隣室に振動が伝わったという事例も複数確認されています(2026年8月現在、XやYahoo!知恵袋での投稿より)。また、市販の防音マットには新旧2種類の遮音等級(L値)が混在しており、これを誤解したまま選ぶと効果が得られない可能性があります。
本記事では、こうした「多くの比較記事が触れていない論点」を中心に、電子ピアノ用防音マットの正しい選び方とおすすめの対策を徹底解説します。
電子ピアノの防音マットは「防音」より「防振」が本質
そもそも電子ピアノの騒音問題は、スピーカーから出る「空気音」よりも、鍵盤を叩くときの「固体音(振動)」が原因であるケースがほとんどです。ヘッドホンを使えば空気音はほぼ消せますが、打鍵の衝撃は床を伝わって階下や階上に到達します。
防音対策の基本は「遮音」「吸音」「制振」の3つです(サウンドプルーフ、2025年12月)。電子ピアノの床対策で最も重要なのは「制振」——つまり振動そのものを床に伝えにくくすることです。ここを間違えると、高価な吸音材を敷いても効果が薄いので注意してください。
混乱しがち!防音マットの「L値」の正しい見方(新旧規格を整理)
防音マットの性能を示す「L値(遮音等級)」ですが、2026年現在、ネット上の情報には新旧の表示が混在しており、非常に混乱しやすいポイントです。
旧JIS規格では「推定L等級」という表示が使われており、数値が小さいほど高性能でした(例:L-40はL-35より優れる)。しかし現在の新JIS規格では「△LL-(数字)」という表記に変わっており、数値が大きいほど高性能になります(例:△LL-7は△LL-5より優れる)。
多くの量販店やメーカー公式ページでは新表記が使われていますが、一部の古いブログや口コミサイトでは旧表記がそのまま残っています。製品を比較するときは、まず「どちらの表記で書かれているか」を必ず確認してください。島村楽器が販売するEMUL CPTシリーズは新JISのLL-35等級(2024年7月公表)を取得しており、この表記は数字が大きいほど高性能というルールに従っています。
ユーザーのリアルな声から見えてきた「見えない振動」のリスク
2026年8月現在、XやYahoo!知恵袋、各製品のレビューサイトで収集したユーザーの声には、以下のような傾向がありました。
満足している声としては、「マットを敷いたら打鍵のカタカタ音がかなり軽減された」「軽量で設置が簡単だった」「色味やデザインが部屋に合って見た目も良い」といったポジティブな意見が複数見られました。
一方で、「階下には問題なかったが、上の階の住人からクレームが来た」という想定外のトラブル報告が複数件確認されています。これは多くの初心者が想定していないパターンであり、防音マット選びの盲点といえます。また、「自分が思っていたより打鍵音が響いていた」「椅子の分の奥行きが足りなかった」といったサイズ感や効果の実感に関する不満も見受けられました。
これらの声からわかるのは、「下だけ気にすればいい」という認識では不十分だということ。振動は床面を伝わるため、階下だけでなく階上や横方向にも伝播する可能性があるのです。
自作(重ね付けDIY)と専用製品、どちらを選ぶべきか?
防音対策には大きく分けて「複数の素材を自分で重ねるDIY方式」と「最初から多層構造になっている専用マット」の2つのアプローチがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
| アプローチ | 構成例(下から順) | 推定コスト(目安) | 手間 | 期待できる効果(対象:打鍵音) | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 重ね付け(DIY) | 床保護シート → 防振マット(P防振など) → 吸音カーペット(静床ライトなど) | 約1.5〜2万円(静床ライト3枚+P防振マット2枚で試算) | 高い(各素材をカットして重ねる手間あり) | 高い(防振+吸音で固体音と空気音の両方に対策可能) | コストを抑えつつ、自分で効果を調整したいDIY志向の方 |
| 専用マット(一体型) | 島村楽器 EMUL CPTシリーズ(LL-35相当) | 約17,800円〜23,800円 | 低い(開封して敷くだけ) | 高い(メーカー公認の遮音等級あり。椅子移動やペダル操作の音も軽減) | 手間をかけずに一定の性能を保証された製品を選びたい方 |
| 専用マット(簡易型) | 東京防音 S-241(7mm/9mm厚) | 13,200円 | 低い(開封して敷くだけ) | 中程度(打鍵音対策専用設計。さらにカーペットを重ねれば効果アップ可) | コスパ重視でシンプルなマットを求める方 |
この表は、あくまで一般的な製品構成をもとにした試算です。実際の効果は床の構造(スラブ厚など)やピアノの重量によって変わります。電子ピアノの重量は約30〜100kgが一般的であり(島村楽器、2025年10月)、床の耐震強度には問題ありませんが、この重量が振動の伝わり方に影響する点は押さえておきましょう。
おすすめの防音マットと対策の組み合わせ方
ここまで読んでいただいたうえで、具体的にどの製品を選べばいいのか。いくつかの実例を挙げます。
まず「手間をかけずに確実な性能が欲しい」という方には、島村楽器 EMUL CPTシリーズがひとつの有力な選択肢です。LL-35等級という明確な遮音基準を持つため、効果の見込みをある程度数値で把握できます。
次に「コストを抑えつつ、自分でアレンジしたい」という方には、東京防音 S-241のようなシンプルな防振マットと、市販の吸音カーペット(例:日東紡マテリアル 静床ライト)を重ねる方法がおすすめです。この組み合わせなら、総額2万円以内でDIY構成と同等以上の効果を得られる可能性があります。
また、**Roland純正のHPM-10**もローランド製ピアノとの相性を考慮した設計で知られており、純正品ならではの安心感を求める方にはこちらも検討価値があります。
いずれにせよ、マットは「ピアノ本体の足+イスの足」の両方をカバーできるサイズを選ぶのが鉄則です。ユーザーからは「イスの分の奥行きが足りなかった」という声も上がっているので、購入前に実寸をしっかり測ってください。
電子ピアノの防音マット選びで後悔しないための3つのポイント
最後に、本記事でお伝えした最重要ポイントをまとめます。
①「防音」ではなく「防振」が主目的だと理解すること。吸音材を過信せず、制振効果のあるマットを選びましょう。
②L値の新旧表記に惑わされないこと。新JIS(△LL-数字)では数字が大きいほど高性能。旧JIS(L-数字)では数字が小さいほど高性能です。製品スペックを見るときは、必ずどちらの規格か確認してください。
③階下だけでなく階上・隣室への振動伝播も想定すること。実際に階上クレームに発展した事例がある以上、対策は「下方向だけ」で考えないほうが賢明です。厚みのあるマットを選ぶか、DIYで重ね敷きすることで、より広範囲の振動を吸収できます。
防音マットは一度買えば長く使えるものです。価格だけでなく、自分の住環境やピアノの置き場所、近隣との距離感を総合的に考慮して、最適な一枚を選んでください。

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