楽器を始めたばかりの方も、吹奏楽部やバンドで長年使っている方も、チューナーメトロノームって「ただ音を合わせるもの」「ただリズムを刻むもの」と思っていませんか?
実はコルグの最新モデル「TM-70F」、従来のTM-60と比べて**「日本製」になっただけじゃなく、練習の質そのものを変える機能**がゴッソリ追加されているんです。特に「フォーカスモード」と「トレースモード」は、今までのチューナーメトロノームにはなかった視点で、あなたの演奏をもっと正確に、そしてもっと楽しくしてくれます。
この記事では、2024年3月に発売されたコルグ TM-70Fが、なぜ「吹奏楽の強い味方」と言われるのか。旧モデルTM-60からの進化点を中心に、実際の練習でどう役立つのかを、Q&Aサイトでは語られない実践的な視点で徹底解説します。購入を迷っている方も、すでに持っているけど使いこなせていない方も、最後まで読めば今日から練習の仕方が変わるはずです。
コルグ TM-70Fってどんなチューナーメトロノーム?旧モデルTM-60と何が違うの?
コルグのチューナーメトロノームと言えば、吹奏楽部や学校の音楽室で見かけない日がないほどの定番アイテム。それもそのはず、YAMAHAのチューナーメトロノームと並んで、国内の楽器市場で圧倒的なシェアを誇るモデルです(YAMAHA TDM-710とKORG TM-70Fは、どちらもKORG製のOEMである可能性が高いと言われていますが、今回は置いておきましょう)。
さて、今回の主役は「TM-70F」。その前に、まずは旧モデル「TM-60」が2024年をもって生産終了になっていることをご存知でしょうか?コルグ公式サイトでもTM-60のページには「販売終了」の表示が出ており、現在は在庫限りの状態です(KORG公式サイト、2024年発表)。
では、TM-70Fは単なる後継機なのでしょうか?いいえ、違います。以下の比較表を見てください。数字だけでは伝わらない、練習の「見え方」を変える進化がそこにはあります。
| 比較項目 | KORG TM-60(旧モデル) | KORG TM-70F(新モデル) |
|---|---|---|
| 生産状況 | 生産終了(在庫限り) | 現行モデル |
| 生産国 | 非公開(海外生産と推測) | 日本(メイドインジャパン) |
| ディスプレイ/視認性 | TM-50比で大型化されたディスプレイ | 本体は小型化しながら、音名・音階表示はTM-60より拡大。多角度からの視認性が向上 |
| チューニング精度(表示) | 標準(±50セント表示) | **フォーカスモード(±25セント拡大表示)**を新搭載 |
| ピッチトレース機能 | なし | **トレースモード(過去2秒間のピッチ範囲を表示)**を新搭載 |
| 本体サイズ | 標準サイズ | 一回り小型化(ポケットにも収まる) |
| 電池寿命(目安) | 約130時間(チューナーモード時) | 約250時間(最大)に向上 |
(出典:KORG公式サイト TM-70F / TM-60 製品ページ、及び島村楽器Discoverブログ「KORG TM-70F 新発売!生産国が日本に!?」2024年3月9日を基に作成)
この表を見て一番驚くべきポイントは、「日本製」になったことと、「フォーカスモード」「トレースモード」という全く新しい練習機能の搭載です。本体が小さくなって視認性が上がり、電池もほぼ倍持つようになった——これだけでも買い替えの価値は十分ありますが、それだけじゃ終わりません。
吹奏楽部の「音合わせ」が変わる!フォーカスモードとトレースモードを徹底解説
ここからが本題です。多くの上位記事が「フォーカスモード搭載」と一言で流していましたが、これが実際の練習にどう影響するのか、具体的に掘り下げていきます。
「フォーカスモード」で視える、±25セントの世界
通常のチューナーは±50セントの範囲で針が振れます。セントというのは音程のズレを表す単位で、半音(1フレット分)を100等分したものが1セント。つまり±50セントというのは、半音の半分の範囲まで表示する、という意味です。
TM-70Fの「フォーカスモード」は、この表示範囲を**±25セントに狭めます**。何が違うのか?針の動きが通常の2倍に拡大されるので、わずかな音程の揺らぎがモロに見えるようになるんです。
例えば、金管楽器のロングトーン。チューナーを見ながら「だいたい合ってるな」と思っていても、フォーカスモードにすると「実は上がったり下がったりしてる」のが手に取るように分かります。この「気づき」があるだけで、アンブシュア(口の形)の微調整や息のスピードのコントロールが格段にやりやすくなる。特にチューニングがシビアな吹奏楽のアンサンブルでは、この1セント単位の精度が和音の美しさを左右します。
「トレースモード」で過去の自分を振り返る
もう一つの新機能「トレースモード」。これは、過去2秒間のピッチの動きを「範囲」で表示してくれる機能です。
どういうことか?ロングトーンを吹いた後、チューナーを見ると「今の音」しか表示されませんよね。でもトレースモードを使うと、「さっきの2秒間、音がどれくらいブレていたか」をグラフィカルに振り返ることができるんです。
これは特に、自分のクセを知るのに最適です。例えば「音の出だしだけいつも高い」「ロングトーンの終わりに下がってしまう」といった、自分では気づきにくい傾向を可視化できます。今までは「なんとなく合ってる気がする」で終わっていた練習が、客観的なデータに基づいて改善できる。まさに「練習の質を変える」機能と言えるでしょう。
ここが気になる!「純正律マーク」の実践的な使い方と和音の秘密
コルグのチューナーメトロノームには、昔から「純正律マーク」という機能が付いています。これは、平均律(ピアノなどが基準にする音律)で調律した時に純正な長3度・短3度の音程を示すマークが表示されるというもの。
多くの人は「なんかマークが出てるな」で終わってしまいがちですが、これが吹奏楽ではめちゃくちゃ重要なんです。
吹奏楽で問題になるのが「和音が濁る」現象。これは平均律でチューニングすると、長3度や短3度の音程が若干広く(あるいは狭く)なってしまうのが原因です。例えば、チューバが「ド」、アルトサックスが「ミ」を吹くとき、両方ともチューナーで「合ってます」と表示されていても、その和音は少し濁って聞こえる——これが吹奏楽の長年の悩みどころです。
TM-70Fの純正律マークは、その「濁り」を解消するためのヒントをくれます。マークを参考に「ミ」の音を少し低めに取る(あるいは高めに取る)ことで、和音がパッと澄んで響くようになる。これは楽器単体のチューニングではなく、「周りの音と合わせる」ための機能という視点で捉えると、その真価がグッと見えてきます。
ちょっとしたコツですが、まずは自分が長3度の音(ルートから4半音上)を担当しているのか、短3度(ルートから3半音上)なのかを認識すること。そして、チューナーが純正律マークを示した時の音程感を耳に焼き付ける。これを繰り返すだけで、あなたの耳は確実に鍛えられます。
実は「音合わせ」だけじゃない。メトロノーム機能も進化してる
ここまでチューナー機能ばかり見てきましたが、メトロノームとしての使い勝手も地味に進化しています。何しろ電池寿命が約130時間(TM-60)から約250時間(TM-70F)に向上しているので、練習中に電池切れの心配が格段に減りました(KORG公式サイトの製品仕様に基づく)。
また、テンポ範囲は30〜252回/分と広く、ビートは0〜9拍まで設定可能。さらに「オールビート」モードでは、ビートに関係なく一定の間隔でクリック音が鳴るので、変拍子の練習にも便利です。
ただ、ここで注意点が一つ。YAMAHA TDM-710とKORG TM-70Fは機能的にほぼ同等だと見られています。どちらもKORG製のOEM製品という説が強く、実際に中身の性能差はほとんどないと言って過言ではありません。選ぶ基準は「デザインの好み」「価格の安さ」「TM-70Fならではの日本製という付加価値」の3点に絞られるでしょう。
買い替えか、それとも新規購入か?ユーザーのリアルな声から考える
SNSやQ&Aサイトを調べてみると、やはり多くのユーザーが「YAMAHAとKORG、どっちがいいの?」と迷っている様子が伺えました。また、TM-60を使っている方からは「そろそろ買い替えたいけど、TM-70Fに変える価値ある?」という声も。
その答えをあえて一言で言うなら、「今まで通りに使うだけなら必要ないけれど、練習の質を上げたいなら買い替え圧倒的アリ」 です。
なぜなら、フォーカスモードとトレースモードは「今まで気づけなかった自分のクセ」を教えてくれる唯一無二の機能だから。特に、コンクールを控えた吹奏楽部員や、プロを目指すプレイヤーにとって、この「気づき」はお金を払ってでも手に入れる価値があります。
ただし、ポジティブな声だけでなく「アマチュアにはそこまで必要ないのでは?」という意見も一部にはあります。確かに、普段の練習で「だいたい合ってればOK」というスタンスの方には、オーバースペックかもしれません。ただ、「耳を育てたい」「もっと良い音を出したい」という向上心があるなら、この投資は決して無駄にはならないはずです。
コルグ TM-70Fが「日本製」であることの意味
最後に、どうしても触れておきたいのが「メイドインジャパン」への回帰です。
TM-70Fはコルグの製品ラインナップの中でも、日本国内で生産されている数少ないモデルの一つです。コルグと言えばかつては日本製が当たり前でしたが、近年はコストダウンのために海外生産にシフトしている製品も多い中で、TM-70Fが日本製になったことは、品質に対するこだわりの表れと言えるでしょう。
実際、楽器店のブログなどでも「TM-70Fは日本製なので、作りが非常に丁寧」という評価が見られます(島村楽器Discoverブログ、2024年3月)。長く使うものだからこそ、製造国が気になる方には朗報です。
まとめ:コルグ TM-70Fは「練習の質」を変える、吹奏楽の新定番
コルグ チューナーメトロノーム TM-70Fは、単なる後継機ではなく、「聴く」から「視る・分析する」へと練習のステージを一段上げてくれる製品です。
- フォーカスモードで微細な音程のズレを視覚化
- トレースモードで自分の演奏のクセを客観視
- 純正律マークでアンサンブルの和音をより美しく
- 日本製ならではの安心感と品質
- 電池寿命が約250時間に向上し、練習に集中できる
これらの要素が合わさって、TM-70Fは「音を合わせる道具」から「上達を加速させるパートナー」へと進化を遂げました。
すでにTM-60をお持ちの方も、これから初めてチューナーメトロノームを買う方も、もし「もっと上手くなりたい」という気持ちがあるなら、TM-70Fはその想いに応えてくれる一肢になるはずです。
あなたも今日から、この小さな箱を味方につけて、一歩先の練習を始めてみませんか?

コメント