液タブを使い始めたものの、「キーボードをどこに置けばいいんだ…」と困った経験はありませんか? 実はこれ、液タブユーザーにとってとても多い悩みのひとつ。市販の液タブスタンドは本体の角度調整に特化していて、キーボードを置く場所までは考えられていないものがほとんどです。そこでこの記事では、液タブ用のキーボードスタンドについて、「買う」「流用する」「自作する」の3つのアプローチを徹底比較。あなたの作業環境にぴったりの解決策を見つけるためのヒントを詰め込みました。
結論から言うと、「完璧な市販品はまだ存在しません」。だからこそ、ノートPCスタンドの流用や100均素材での自作など、ユーザーそれぞれの創意工夫で問題を解決しているのが実情です。この記事では実際のユーザーの声を集めながら、それぞれの手法のメリット・デメリットを整理していきます。
液タブ用キーボードスタンド、何が問題なのか?
まず、なぜこんなに多くの人が「キーボードスタンド」で悩むのか。その背景には、液タブという製品の特性があります。
液タブは画面に直接描くタイプのペンタブレット。描きやすさを優先するために、画面を手前に傾けて使うのが基本です。ところが、この傾きが原因で、キーボードを置く場所がなくなってしまう。液タブの手前は傾斜になっているのでキーボードを置けませんし、横に置くと描くときに腕が届きにくい。かといって奥に置くと、今度は遠くて手が届かない……。
Yahoo!知恵袋では2024年10月に「液タブ キーボードはどこに置く?」という質問が投稿され、多くのユーザーが同じ悩みを抱えていることが確認できました(出典:Yahoo!知恵袋、2024年10月)。また、複数の個人ブログでも「純正スタンドは高さ調整ができない」という不満が挙げられており、この問題が液タブユーザーにとって普遍的なテーマであることがわかります。
市販の液タブスタンド、実は「キーボード置き場」じゃなかった
いま市場にある液タブスタンドの多くは、「液タブ本体の角度を調整する」ことを主目的に作られています。Parblo PR100やHUION ST300といった製品が代表的ですが、これらはあくまで液タブ自体を支えるためのもの。キーボードを収納するスペースや、液タブの下にキーボードを滑り込ませる構造は、基本的に備わっていません。
では、本当に市販品では解決できないのかというと、そうでもありません。実は「液タブ用キーボードスタンド」として、個人が製作・販売しているニッチな製品がいくつか存在します。
たとえば、VESAマウントを利用してCintiq Proシリーズの下にキーボードを収納できるスタンド(Atelier MT West製、価格18,800円)は、2023年に発売された製品です(出典:Atelier MT West公式販売ページ)。また、XP-PEN Artist 22-2nd専用のクリップ式キーボード置き場(BOOTHにて販売)は、液タブの上部にキーボードを固定できるユニークなアイデア製品です(出典:BOOTH販売ページ)。これらはまだまだ数が少なく、対応機種も限られているのが現状。そのため、多くのユーザーが「買う」以外の選択肢を模索しているのが実情です。
液タブ+キーボード問題、解決手法を徹底比較
それでは、実際にどのような解決策があるのか、一覧で比較してみましょう。コストや難易度、安定性など、それぞれの特徴を整理しました。
| 解決手法 | 具体例 | コスト目安 | 難易度 | 安定性 | キーボード収納可否 | 高さ調整 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 純正液タブスタンド+台座(箱や本で嵩上げ) | 純正スタンド+身の回りのもの | スタンド代は別途+無料 | ★☆☆(低い) | 高い(台座次第) | △(下にスペースがあれば可) | △(台座の高さに依存) |
| ノートPCスタンドを流用 | BoYata ノートパソコンスタンド | 3,000〜5,000円 | ★☆☆(低い) | やや不安(微動あり) | ◯(土台下に収納) | ◎(ヒンジで自在) |
| 100均材料で自作 | ブックエンド+下敷き+両面テープ | 500円以内 | ★★☆(中程度) | △(経年劣化あり) | ×(別途必要) | ×(固定) |
| アクリルスタンド+金属ステー | 無印アクリルスタンド+ホームセンター材料 | 1,000〜2,000円 | ★★☆(中程度) | △(精度による) | ×(別途必要) | ×(固定) |
| キーボードスライダー(机下設置) | サンワダイレクト 100-KB008など | 5,000〜8,000円 | ★☆☆(低い) | ◎(机に固定) | ◯(机下に収納) | ◯(高さ調整可) |
| 3Dプリント製クリップ型(個人販売) | BOOTHで販売の液タブ上置き用 | 2,000〜4,000円 | ★☆☆(低い) | 中(液タブに挟む構造) | ◯(液タブ上部に設置) | ×(固定) |
| VESAマウント利用型(個人製作) | Atelier MT West製 Cintiq Pro用 | 18,800円 | ★☆☆(低い) | 高い(VESA固定) | ◯(液タブ下に収納) | ◯(スタンド付属) |
| モニターアーム+液タブ | エルゴトロン LX デスクマウントアーム+補強 | 15,000〜30,000円 | ★★★(高い) | △(アームのしなり有) | ×(別途必要) | ◎(アームで自在) |
※各数値は公開情報を基に作成。価格は調査時点の目安であり、変動することがあります(各製品の公式販売ページ参照)。
この表を見るとわかるように、「安定性」「高さ調整」「キーボード収納」の3つをすべて満たす製品や手法は、現時点ではほとんど存在しません。 そのため、ユーザーは自分にとって何を最優先するかを決めて、手法を選ぶ必要があります。
実際のユーザーはどうしてる? SNS・ブログの声を集計
では、実際の液タブユーザーはこの問題をどう乗り越えているのでしょうか。X(旧Twitter)や個人ブログ、Q&Aサイトなどから、実在するユーザーの投稿を集計してみました(確認日:2026年8月)。
ポジティブな声(約4件分の趣旨)
- 「自作したら思い通りにできて快適になった」という満足感の投稿が複数見られました。
- 「BoYataのノートPCスタンドを流用したら、高さ調整とキーボード収納が同時に解決した」という評価が複数のブログで確認できました。
- 「100均材料で作れた」というコスト面の満足を示す声もありました。
ネガティブな声・不満(約5件分の趣旨)
- 何より多かったのは「キーボードをどこに置けばいいか分からない」という困惑の声。
- 市販の液タブスタンドでは「高さが足りない」「キーボードを置く場所がない」という不満が多数見られました。
- モニターアームを試したけど「水平にならない」「自由度が足りない」という失敗事例。
- 「純正スタンドは高さ調整ができない」という不満も複数のブログで言及されていました。
- 自作の簡易スタンドは「時間が経つとヘタる」「耐久性に不安」という声も。
これらの声から浮かび上がるのは、「市販品では満足できず、自分で何とかする」というユーザーの姿勢。そして、その「何とかする」方法が人によってまったく違うという点です。
手法別・詳しい使い心地と注意点
ここからは、それぞれの手法について、実際の使用例をもとに詳しく見ていきましょう。
ノートPCスタンドの流用(BoYata ノートパソコンスタンド)
複数のブログで評価が高かったのが、ノートPCスタンドの流用です。特にBoYataというブランドのノートパソコンスタンドは、液タブユーザーの間で有名です。実際に、Wacom Cintiq 13HDにBoYataスタンドを使用したレビューでは、「安定性が高く、高さの自由度が大きい」「スタンドの土台部分にキーボードを収納できる」と高評価でした(出典:個人ブログ yuki222)。また、Wacom MobileStudio Pro 16でも同製品を使用している例が確認できています(出典:個人ブログ hajirogaoka)。
ただし、ノートPCスタンドはあくまでノートPC用に設計されているため、液タブの重さに耐えられるかどうかは事前に確認が必要です。また、スタンド自体が少し微動するというレビューもあり、がっちり固定したい人には向かないかもしれません。
100均材料での自作(ブックエンド+下敷き+両面テープ)
コストを最優先するなら、100均材料での自作も有力な選択肢です。Cintiq 13HDユーザーによるブログでは、ブックエンドと下敷き、両面テープだけでスタンドを作り、5年以上使い続けている事例が紹介されていました(出典:個人ブログ 木下きこ)。この方法の最大のメリットはなんといってもコストの安さ。500円以内で作れてしまうのも魅力です。
ただし、この方法はあくまで液タブ本体の角度を調整するためのもので、キーボード置き場を同時に確保できるわけではありません。キーボードは別途、横や机の上に置くことになります。また、時間が経つと両面テープが劣化したり、下敷きがたわんだりする可能性があるので、定期的なメンテナンスが必要です。
アクリルスタンド+金属ステーでの自作
もう少し見た目を気にしたい人には、アクリルスタンドと金属ステーを組み合わせた自作例も。Xでは、無印良品のアクリルスタンドにホームセンターで買った金属ステーを取り付けて、液タブの下にキーボードを収納できるようにした事例が投稿されていました(出典:X @yonasawa、2018年5月)。こちらもコストは抑えられますが、精度が求められる作業なので、ある程度の工作スキルが必要です。
キーボードスライダー(机下設置型)
机の下にキーボードを収納するタイプのスライダーも、ひとつの解決策です。サンワダイレクトの100-KB008のような製品は、机の天板の裏側に取り付けて、使うときだけキーボードを引き出せるタイプ。液タブの前面スペースをまったく消費しないのが最大のメリットです。
ただし、キーボードを引き出したときに机と液タブの間にスペースができるかどうかは、机の高さや椅子の高さとの兼ね合い次第。また、スライダーを設置するには机の天板が十分な厚みを持っている必要があるので、設置前に確認しましょう。
モニターアーム+液タブ(エルゴトロン LX デスクマウントアームなど)
エルゴトロンのデスクマウントアームなどを使い、液タブを空中に浮かせる方法もあります。これなら液タブの下に空間ができるので、キーボードを自由に配置できます。高さ調整も自在です。
ただし、アームのしなりで液タブが微動するというレビューもあり、ペン入力時の安定性に不安が残る場合があります。また、液タブの重量がアームの耐荷重に収まるかどうか、事前の確認が必須です。
個人製作・3Dプリント製の専用スタンド
最後に、個人が製作・販売しているニッチな製品も見逃せません。BOOTHでは、液タブの上部にクリップで取り付けるタイプのキーボード置き場が販売されています(出典:BOOTH)。液タブの上にキーボードが来るという奇妙な配置ですが、スペースが限られた環境では有効な選択肢になりえます。
また、VESAマウントを利用したタイプは、Cintiq Proシリーズに特化した製品で、液タブの下にキーボードを収納できます。価格は18,800円とやや高めですが、がっちり固定できる安定感が魅力です(出典:Atelier MT West公式販売ページ)。
結局どれを選べばいい? シーン別おすすめ
ここまで見てきたように、液タブ用キーボードスタンド問題には「正解」がありません。あなたの作業環境や優先順位によって、最適な選択肢は変わります。
とにかくコストを抑えたい人 → 100均材料での自作がおすすめ。ただしキーボードの置き場所は別途確保する必要があります。
安定性と高さ調整を両立したい人 → ノートPCスタンド(BoYataなど)の流用が有力です。キーボード収納も同時に解決できるケースが多いです。
机のスペースを有効活用したい人 → キーボードスライダー(サンワダイレクト 100-KB008など)が最適。ただし机の構造を事前に確認しましょう。
液タブを固定してしまいたい人 → VESAマウント利用型の専用スタンドや、モニターアームが選択肢になります。ただしコストは高めです。
どうしても「液タブの上にキーボードを置きたい」人 → 3Dプリント製のクリップ型スタンドが唯一の選択肢です。対応機種をよく確認してください。
いずれの方法を選ぶにしても、まずは「自分が何を最優先するのか」をはっきりさせることが大切です。安定性なのか、コストなのか、スペース効率なのか。その優先順位が決まれば、自ずと選ぶべき手法は見えてくるはずです。
まとめ:液タブ+キーボード問題、正解は「あなたの環境」にある
液タブ用のキーボードスタンドは、まだまだ発展途上のカテゴリです。市販品の選択肢は少なく、完璧な製品はまだ存在しません。だからこそ、ユーザーそれぞれが創意工夫を凝らして、自分に合った解決策を見つけているのが現状です。
この記事では、「買う」「流用する」「自作する」の3つのアプローチを中心に、実際のユーザーの声や具体的な製品例を交えて紹介してきました。どれが正解かは、あなたの作業環境や優先順位次第。この記事が、あなたにとって最適な選択肢を見つけるためのヒントになれば幸いです。
まずは、あなたの机のサイズや液タブの機種、予算を改めて確認してみてください。そして、今回紹介した手法の中から、もっともしっくりくるものを試してみましょう。きっと、快適な作業環境への第一歩になるはずです。

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